「こんにちは」


 「こんこん」



 そんな会話の中で、その日の気分や体調が、なんとなく分かります。



 勘違いも多いですけどね。



 でも、たいてい、当たっています。



 声が聞こえなくても、


 言葉だけでも、


 なんだか色々とわかります。




 旋律は、マイナーコードで繰り返されて、

 それでも夏の黄昏が目の前いっぱいに広がるまで、


 席を離れられないのですよ。




 ほんの戯れ、ひと夏の戯れ、旧校舎へ続く石段を昇って、


 朝になっていました。