世界樹の見える場所で

MMORPGで遊んでいます。オンラインの時間も、自分らしくいられる気がします。世界樹の見える場所で、潮風を感じられる丘で、いつものように。

カテゴリ: 世界樹



 「こんにちは」


 「こんこん」



 そんな会話の中で、その日の気分や体調が、なんとなく分かります。



 勘違いも多いですけどね。



 でも、たいてい、当たっています。



 声が聞こえなくても、


 言葉だけでも、


 なんだか色々とわかります。




 旋律は、マイナーコードで繰り返されて、

 それでも夏の黄昏が目の前いっぱいに広がるまで、


 席を離れられないのですよ。




 ほんの戯れ、ひと夏の戯れ、旧校舎へ続く石段を昇って、


 朝になっていました。


 


 楽しい記憶が多いので、どこから話そうか迷ってしまいます。

 いつもログインのときに流れてくる、あのメロディーを聞きながら、

 いつもと変わらない夏空を思い浮かべています。



 世界樹の見える丘公園は、 

 
 待ち合わせ場所です。


 たまり場です。


 約束しなくても、仲間と合える公園です。




 ひと夏を戯れて、


 気づいたときには飽きのこない世界で、


 夏のまま過ごしていました。




 それでも時間が来ればログアウトします。


 行ったっきりでは、ありません。


 ログアウトします。


 再びログインするために、ログアウト。






 ほんのチョットの時間でもログインすることがあります。


 潮風を感じるだけ、


 夏色の街角を歩くだけ、


 校舎から校舎へ走るだけ、


 ほんのチョットの時間だけ。




 


 いつも選択肢があります。


 どこの学校に入学するかもそうですよね。



 とくに、こだわりもなく、その時の気分で決めて進みました。


 考えたからといって、正解にたどりつけるとは限りません。


 そもそも正解があるとも限りません。


 今なら言えますが、

 「どれを選んでも正解」

 でした。



 ただし、

 選択肢によって、

 その先での「出逢い」は変化したことでしょう。



 つまり、


 あの夏、あの夜、あの場所を選んで進んだことが、

 今に繋がっているというわけです。


 


 夏に始めたオンラインゲームで、もうひとつの学園生活を満喫しました。

 始めた当時は、

 「いまさら」

 なんて考えたこともありましたが、

 「いまこそ」

 と積極的思考に切り替えて、

 結果的に自分の居場所を見つけられました。


 いいことだらけです。


  


 世界樹の見える丘にいると、風を感じます。

 潮風です。


 潮の香りは、季節を問わずに、いつも清々しいのですよ。



 私にとって、ここは居場所。


 私にとって、この世界で出会えた友だちとの場所。



  

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